乙一のzoo カザリとヨーコについて

 

ダイヤモンドフレンズ(造語)がおすすめしてくれた乙一のzoo、こんなにも面白いとは…
姉曰く、乙一作品のゴスを読んだときはあまりにも胸糞悪くなってしまい読むのを諦めたそうなので、私も身構えつつ読み始めた。
グロい、胸糞…そんな言葉を聞いていたのでいつどこで何かがグチャグチャになるか分からない…そんな地雷の上を歩くような気持ちで読み進めた所
犬 の文字が
犬、犬ーーー!!!!ダメあなたこんな作品に出たらマズイわよ!どう調理されるか分からんぞなんて思ってた(まだ乙一のことを10ページ分しか知らない人間の感想)
結局最後まで乙一の手によってホットドッグになることはなかった。よかった。
(変な話、物語上で人が殺されるよりも人間以外の動物が苦しみながら死んでいく方が億倍辛い)
そんな犬というキーワードにいつデッドエンドを迎えてもいいように心を整えてたところ、話は思いもよらない展開に。
ラストの2ページで一気にホッペから涙がドバドバに出てきた。
ヨーコ、良かったねという思いとヨーコ自身のこれからの人生を歩み始めるような漲っているエネルギーに心を打たれ号泣…

この話をざっくり姉に説明したところ、え?なんで?普通に胸糞じゃない?なぜ泣く?と言われてしまった…
…これ私の感性がイカれてるのか? たしかにヨーコはカザリの命を間接的に殺したけど、生きるか死ぬかの瀬戸際で、やらなければやられる状態だった。おまけにカザリのしていた事はいつ殺されてもおかしくないような言動ばかり…
もしかしたら話の中の重点が人によって違うのかもしれない。
決して感動作ではないし、読み手によって全く別の感想が出てくるあたり、乙一という小説家は奇才だな〜と思うのであった。

追記
やっぱり人々の感想が気になってコメントを漁っていたところ、最後のよっしゃー!で心が抉られるような気持ちになった方がちらほら…
私は命を軽視しすぎなんだろうか…人の気持ちとか、そういうものを汲み取ろうとしても見当違いであることが多々ある…想像力や及び思考能力の欠如…ウ!
俺がバッドエンドになってどうするんだよ