昔のこと
ふと思い出すことがある昔のこと。
私が4歳ぐらいの頃、テレビで見たヒップホップダンスがとてもカッコよく思えてヒップホップダンスがやりたいと母に言った。
そして連れてこられたのはまさかの母が習い事で通っているエアロビクススタジオ。ここならダンスできるでしょ、とのこと。 私は流行りの音楽に合わせて同い年の子たちとダンスがしたかったのでがっかりしていた。
そこは母と同じ年齢の人たちしかいない、音楽は80sの全く知らない洋楽ポップスが流れている。
楽しめるはずがなかった。リズムに合わせてステップを踏む事には変わりないが私がやりたかったダンスとはかけ離れていた。 周りの奥様方には可愛がられたが、もともとやる気がなかったので、スタジオに行ってもサボることが増えていった。散々やめたいと兄弟揃って言ったが、それでも継続することの大切さをモットーとしていた母は私たち兄弟を毎週連れて行った。
ある時、介護施設でダンスの発表会があるので、私たち兄弟3人で踊る事になった。その話を聞いた時点でめんどくささマックスだった我ら三兄弟。ぶすくれながらも振り付けを覚え、本番を迎えた。
そこで初めて衣装を見た。天使の羽、ふわふわの真っ白な衣装。
なんじゃこりゃーーーーーーーーーーっっっッッッッッッッッッッ!!!!!!!
いつも女の子のアイテムを纏うと親に揶揄われたので、むしろ裸で踊った方がマシだった。そんな衣装を着て、母がピアノを弾きお遊戯会のような踊りを踊る。ガキ臭いのは嫌いなクソガキだったのであの恥ずかしさは今でも覚えている。
本番私たちは踊らなかった。母がピアノを弾きながら踊れと怒っている。それでも踊りたくなかった。子供の意見を一切聞き入れてくれず、こんな恥ずかしい衣装まで着て、やりたくない。
それでも発表が終わった後、母は何て融通が利かない子なのなんて憮然としていた。
え、なんでこんな愚痴ってんの?昔のこと言ってたって何も変わんなくね?って思うじゃん? でもこうして記憶の限り書き出してみると心の整理になります。
こういうケースはニュースで取り上げられる程残虐でもなく直接的な被害がない分、大小あれど親の教育だから で片付けられてしまうことが多いなと感じます。
これを教育で片付けられたら、その教育を受けた身としてはかなりやるせない気持ちになります。
今でも私自身、過去の経験が生活の大きなノイズになっている。
少しずつでも、昇華できるよう毎日奮闘中です。